本日は午後出社

日が昇る前に目が覚めた。携帯を確認したところ午前4時。LINEの通知で「雪すごい」と連絡が入っていたので、寝ぼけ眼で外を見たところ銀世界だった。初雪だ。

二度寝していた間の午前6時には雪が雨に変わったらしい。意気込んで早めに家を出た時には雪はびちゃびちゃとした柔らかいものになり濁っていた。トラックに泥水を掛けられながら、なんとか最寄り駅に着いたら今度は改札の前に人だかりができている。入場規制がかかっており、ホームは人でいっぱいだという。電車が来るまでにしばらくかかる上に、来たとしてそれに全員が乗れるわけではない。ほぼ乗れない状況であるのは明白だった。

こりゃだめだと家に帰って午後出勤に切り替えさせてもらい、することもないので徒歩で実家へ行ってみた。寒い寒いと家に入ると母がせっせとミルクティーやら温かなパンやらを出してくれた。ありがたく頂戴しながら、PCの調子が悪いと困っていた父親と共にスターウォーズの話をしながらPCを見てみた。根本的に何かがおかしいASUSで、どうにも直せなかった。猫がやたらと鳴き、甘えて擦り寄ってきたので「えきにはいれないよーでんしゃうごかないよーじめんべちゃべちゃだよー」と毛に顔を埋めて泣き言を言ってみた。ものすごく不満気な顔で見られた。

自分の乗る路線の混雑が穏やかになったらしいことを確認しつつ、30分ほど余裕を持って実家を出た。車内は混んでいなかった。運良く乗車してすぐに座席に座ることもできたのでぼんやりと雪景色を眺めていた。ふと床に視線を移したところ黒くなった雨水で一面濡れており、そこに無数の人々の足跡が浮かんでいた。暖かく穏やかな昼下がりの車内にそぐわない殺伐とした存在感だった。戦場の名残を見つめながら、すみません、おつかれさまです、と思いつつ電車に揺られて出社した。